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○“恵まれた男”スタバ店員転身で全米話題

 【ニューヨーク=長戸雅子】米最大手の広告会社重役から米コーヒーチェーン・スターバックスの店員に-。60代で思わぬ転身を果たした男性の回想録が全米で人気を集めている。

 2年ほど前に出版されたが、金融危機による解雇の嵐が吹き荒れる米社会で改めて共感が寄せられ、映画化も進められている。再び成功のチャンスをつかんだ男性は「もとの暮らしには戻るつもりはない」ときっぱり話している。

 「スターバックスはいかに私の人生を救ったか」を著したのは、ニューヨーク州出身のマイケルー・ゲーツ・ギル氏。同書は2008年1月、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに載ったが、最近もまた、「品切れの状態が続いている」(米大手書店員)という。

 サブタイトルに「恵まれた男が市井にもまれる」とあるように、ギル氏は「人が欲しいと思うものは、すべて持っている生活だった」と振り返る。高名な文筆家であるブレンダン・ギル氏を父に持ち、自宅には2階分の図書室もあった。名門エール大学を卒業後、広告大手J・ウォルター・トンプソンに勤め、化粧品大手ディオールや自動車大手フォードなど一流企業を担当。16万ドル(1550万円)の年収を得ていた。 

 しかし、15年前、会社から突然、解雇を告げられる。その後の10年は地獄だった。在職中に始めていたコンサルタント業は閉鎖を余儀なくされ、妻と離婚したうえ、脳腫瘍(しゅよう)と診断された。 

 5年前、ふと気づくと幸せな子供時代を送ったニューヨークの自宅周辺を歩いていた。コーヒーを飲もうと入ったスタバはたまたま求人キャンペーン中で、担当の黒人女性から勧誘を受けた。「うそをつく気力もなく、イエスといっていた」(ギル氏)。 

 白人エリート層の社会で生きてきたギル氏にとって、人種も育った環境もまるで異なる同僚と働くのは初めての経験だった。時給は約10ドル(970円)で緑色のエプロンを最初に身につけたときこそ敗北感を感じたというが、一杯のコーヒーを通じて人に喜ばれることが「自分の喜びになっていった」という。

 苦しい時代に娘から日記を書くよう勧められ、それがもとになって本が生まれた。

 産経新聞の電話取材にギル氏は、「かつては成功という自分の外側のものさしで人生をはかっていた。物質的な豊かさが幸せなのでなく、そうしたものから自由になることが幸せなのだと気づいた」と語る。

 さらに「米国の企業文化は人材より利益を優先させてきたし、拝金主義が賛美されてもきた。米国はこの病から回復する時期にきているように思う」と、金融危機に見舞われた今は米資本主義や価値観の転換期にあるとの見方も示す。

 もっともギル氏を“救った”スタバも世界各国での過剰出店で人員削減を余儀なくされている。著書に対しては、「スタバの宣伝」との見方や、「リストラされても明るく生きていける」というテーマが「企業の安易な解雇のいいわけに利用されないか」と危惧(きぐ)する意見があるのも事実だ。

 そしてギル氏は今、再び転機を迎えようとしている。著書が売れて講演に飛び回るほか、トム・ハンクスさん主演、今年のアカデミー賞脚本賞などを受賞した「ミルク」のガス・ヴァン・サント監督による映画製作が進んでいるのだ。

 広告マン時代の裕福な生活に戻ることも夢でないが、あっさりとこういう。

 「今、小さいアパートの屋根裏部屋でプラスチックのテーブルにひじをもたせかけて話しているけど、ものを持たない暮らしは本当にいい。失うことで自分がよく見えてくる。今の方がずっと幸せだから昔に戻りたいとは思わない」

ソース




「お金があれば幸せになれる。」
「お金がなければ幸せにはなれない。」
ついついそう思いたくなります。

「田無ければ、また憂いて、田有らんことを欲し、 宅無ければ、また憂いて、宅有らんことを欲す。
田あれば田を憂え、宅あれば宅を憂う。牛馬・六畜・奴婢・銭財・衣食・什物、また共に之を憂う。
有無同じく然り。」(大無量寿経)
(田んぼがなければ田んぼがあったらなあと思う。家がなかったら家があったらなあと苦しむ。
ところが、田んぼがあればあったで管理や維持に苦しみ、家があっても家のために苦しむ。
牛や馬その他の家畜、お手伝いさんや、お金、衣類や食べ物、家財道具とて同じこと。
有っても無くても苦しんでいるという点では変わらない。)
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